元旦の屋根が地震・災害に強い理由
元旦の屋根が地震・災害に強い理由
経営理念に「防災」を掲げる弊社が取り組み続ける、屋根の工夫とその仕組み
自然災害により家屋に生じる被害は様々です。地震や台風などの自然災害発生時に、建材には被害を最小限に抑える役割が求められると考えています。
弊社は、経営理念の一つとして「防災」を掲げており、これまで屋根からの災害対策に取り組んできました。今回は被害発生のメカニズムも踏まえながら、防災を踏まえた屋根の工夫についてご紹介いたします。
自然災害時、家屋に及ぼされる被害
自然災害の発生により家屋に起こり得る被害は様々です。その中でも屋根で軽減できる可能性がある被害について、ご説明いたします。
建物の倒壊
地震発生時に見られる被害として、建物の倒壊があります。屋内にいた人々が倒壊に巻き込まれてしまうことや、屋外でも避難時などに事故の原因となることもあり、非常に危険です。
中でも新耐震設計基準が定められる前、1981年以前に建設された建物の倒壊が多く見られます。
屋根の落下・飛散
地震時に屋根が落下することがあります。特に固定が十分でない昔の瓦屋根は落下する恐れがあり、重量のある屋根が落ちることで事故の発生や避難の妨げにも繋がる恐れがあります。
また、台風や強風発生時に屋根が剥がれて飛散することがあります。
飛来物が屋根に当たり、屋根材が割れて落下することもあります。
建物の燃焼
地震時の火災原因として多いのは、地震に伴う停電から復旧後の再通電時に出火する「通電火災」とされています。
通電火災の発生時、住民は既に避難により不在であることが多く、そのため消火活動が遅れてしまいます。
また通電火災は台風による停電時などでも発生する可能性があります。
他にも火災の原因として、強風による飛び火があります。風や空気の条件により火の粉が1キロメートル以上遠くまで飛ぶこともあります。
屋根からの雨漏り
台風や豪雨による被害には雨漏りがあり、天井の変色や水の染み出しを引き起こします。
水が内部に浸入すると、天井だけでなく壁など様々な部材の腐食に繋がります。また、カビが発生することで健康被害を引き起こす恐れもあります。
被害を防ぐ元旦の技術
弊社が上記のような被害を防ぐために開発・研究を行ってきた技術を、被害が起こるメカニズムの解説と併せてご紹介いたします。
建物の倒壊を防ぐ
建物の倒壊を防ぐためには、屋根を軽量にすることが有効です。
屋根が重いと建物の上部に重心が偏り、地震発生時に建物の揺れが大きくなることで倒壊のリスクが高まるためです。
様々な屋根材の中で最も軽量なのが金属屋根です。地震発生時の揺れを軽減します。
一般住宅ではよくガルバリウム鋼板が採用されていますが、様々な金属の性質を探求する弊社では、他の金属素材もご用意しております。上図の通りガルバリウム鋼板よりもさらに軽量なアルミや、海が近く塩害が懸念される地域ではより錆びにくく高耐久なステンレスや、銅、チタンなどもお選びいただけます。
屋根の落下・飛散を防ぐ
屋根が軽量であるからこそ強風時の飛散を防止するためにしっかりと固定する必要があります。
軒先に吹き上げる風と屋根の上を吹く風により負圧が生じ、その結果軒先には特に大きな圧力がかかるのです。
弊社では落下・飛散の被害を防ぐため、独自の特許技術で屋根を固定しています。その工夫の一つとして、高強度の軒先唐草・ケラバ唐草があります。
唐草とは屋根の端に取り付ける部材のことで、屋根の剥がれや飛散を防ぐほか、軒先唐草は屋根を流れる雨水の水切れを良くします。
負圧がかかる軒先や、外壁から突出している屋根の端には、それぞれ軒先唐草・ケラバ唐草を取り付けます。
一般住宅の屋根施工ではガルバリウム鋼板を折り曲げて唐草を作ることが一般的ですが、弊社では高強度で劣化しにくいアルミ押出型材の唐草を工場生産しています。
屋根製品ごとに専用の唐草を揃えることで、確かな性能を発揮できるよう配慮しております。
さらに屋根の繋ぎ目にも弊社独自の工夫があります。
横葺き屋根の繋ぎ目には漏水を防ぐためのカバーをすることが一般的ですが、積雪や経年劣化によりカバーが剥落することがあります。
弊社は「しがらみジョイント」の開発により、屋根繋ぎ目のカバーレスを実現しました。カバーによる防水性と同等の性能を保持しており、カバーに起因するトラブルを防げる上、見た目がすっきりと美しいのも特長です。
また、施工不良箇所をきっかけに、風による圧力を受けて落下・飛散に繋がる場合があります。
そこで弊社は正確に施工することが重要と考え、施工のしやすさと施工品質を高める工夫を屋根製品に施しています。これにより施工不良を抑制し製品の持つ本来の性能を発揮することで、災害に強い屋根に繋がります。
屋根からの引火を防ぐ
屋根から出火するケースの多くは飛び火によるものと言われています。
屋根の素材は、本来であれば火の粉が付着しても燃え広がることはありません。しかし経年劣化や気象・災害の影響により、屋根材の飛散・変形及びルーフィングシートの劣化により、木製の屋根下地が露出し、燃え移る可能性があります。
前章でもご紹介した軒先の強度を高める固定方法のほか、強度の高い独自形状のハゼの工夫、そして高い施工品質を実現する製品技術により、屋根下地の露出を抑制します。
さらに弊社製品の「断熱ビューティルーフ2型・3型」では、屋根材と屋根下地の間に断熱バックアップ材を設置します。断熱バックアップ材は、屋根の断熱性能や防水性能を向上させる建材です。(断熱バックアップ材の防水機能については、次章で詳しく解説します。)
弊社ではこの断熱バックアップ材を、屋根からの引火対策としても活用しています。
単体で火に接しても3秒以内に消火する、自己消火性(JIS-A-9511準拠)試験に合格したビーズ法発泡ポリスチレンを使用しています。
(自己消火性(JIS-A-9511準拠)試験はあくまでも「燃えにくい」ことを示しており、「引火しても必ず、すぐに火が消える」という意味ではありません。)
加えて、燃えにくいだけでなく熱に強いことも大切です。
夏場の屋根温度は70℃以上にもなり、断熱材の膨張や収縮が起こる可能性があります。
弊社で使用しているビーズ法発泡ポリスチレンは、95℃の耐熱試験(※JIS K 6767に準拠)でもほとんど変形が見られなかった素材です。
■95℃連続7日間放置後の寸法変化率
材料 | 発泡倍率 | 元の寸法に対する変化率 |
---|---|---|
ビーズ法発泡ポリスチレン | 40倍 | 0.24% |
※測定方法はJIS K 6767に準ずる
また家屋周辺で火災が発生した際に、屋根には引火せずとも雨樋が燃えてしまうことがあります。
雨樋には塩化ビニール樹脂がよく使用されますが、炎によって変形したり破損したりする恐れがあります。
弊社製品の「元旦内樋」は金属製のため熱に強く、雪や台風への耐久性があります。
屋根からの雨漏りを防ぐ
雨漏りの原因は様々であり、屋根を固定するためのビスの穴から発生することもあります。
地震や強風などにより、屋根が揺れたり圧力を受けたりすることでビス穴が徐々に緩み、そこから水が入り込んでしまうのです。
弊社製品はそれを防ぐために、屋根材をビスで固定しない嵌合式の施工を実現しています。
ただし一部ビス穴を要する製品もあります。その場合は、さらなる工夫で雨漏りを防いでいます。
例えば断熱ビューティルーフ2型では、屋根材と屋根下地の間に断熱バックアップ材を設置します。その断熱バックアップ材には凹凸形状に加工されており、ビス穴をあける部分に水が寄らないよう工夫されています。
結露によって屋根の内部に発生した水も、この断熱バックアップ材の溝に沿って流れ排出されるため、ビス穴から屋根下地まで入り込むことを防ぎます。
また金属屋根には金属板同士を折りこんでつなぎ合わせる「ハゼ」という部分がありますが、その隙間が狭いと毛細管現象が起こり、屋根内部に雨水が入り込んでしまうことがあります。
弊社の製品はハゼ形状の工夫により、毛細管現象の対策をしています。
まとめ
弊社では自然災害に対して、屋根からできる様々な取り組みを行なっています。
自然災害の備えに、地震・災害に強い元旦の屋根をご検討ください。